会津若松への旅

毎年大学のゼミの仲間と、NHK大河ドラマゆかりの地を訪ねる旅を続けています。今年は“八重の桜”で、会津若松への2泊3日の行程です。磐梯山と麓の猪苗代湖を見て、我々には珍しい赤瓦葺きの鶴ケ城見学。当然初代の天守閣は消失し今は鉄筋コンクリート造りになっていますが、数多くの展示品と残された石垣が相まって、激戦を経験した名城の面影を伝えています。
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また鶴ケ城は、土井晩翠が「荒城の月」の構想を練った城址としても、よく知られているとうりです。
しかし私はそのお城よりも、十歳以上の藩士の子弟が学んだ、藩校の“日新館”に感動しました。ここでは学問や武術だけでは無くて、武士としての人格を育成する、正に人間教育をしていたのです。
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更に六歳から九歳までの藩士の子供たちは、10人程度の集まりを作って学んでいました。この集まりを会津藩では、「什(じゅう)」と呼び、そのなかで「什の掟」という話を学び、藩士としての基本を学んでいました。六から七箇条になる掟の最後に付け加えられているのが、「ならぬことはならぬものです」の文言です。
かなり以前の事ですが、わが国初の女性党首となった大先輩の土井たか子氏が,代表質問の演説中に「だめなことはだめ」と発言。いつもの土井さんとは違う言葉使いと思っていましたが、尊敬していた新島八重先生から「ならぬことはならぬ」の言葉を聞いていて、それを少し変えて使ったのだと今になって合点しました。この「ならぬことはならぬ」の精神は、今日も会津の人達に受け継がれていると云われています。
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そしてかの地で出会った小中学生は全員、私達とすれ違う時に「こんにちは」と挨拶をするのです。私達が「こんにちは」と返すとニッコリと笑って本当に可愛いのです。これは「什の掟」の二番目にある「年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ」を今の時代にも実践しているからにほかありません。五番目の「弱いものをいぢめてはなりませぬ」の文言も、現在最も必要な教えだと思われます。これから我々がどうしていくべきか、いかねばならないか、を学べたように思えて、とても有意義な会津の旅でした。
                                                            景山 浩道    

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